皮革って?革のタンニンなめしとクロムなめし
革って本当にいろいろあるんです。
豚革、牛革、馬革他にもなめしの方法で、タンニンなめしとかクロームなめし、本当にいろいろあります。
きょうはその一部を紹介します!!
そもそも皮と革の違いって
革の鞄って「皮」じゃなくて「革」と書きますよね。
なぜなんでしょうか??
それは「皮」は動物の皮膚を表し、「革」その皮膚を元にして作った素材のことなんです。
「皮」を「革」にするためには「鞣し」という加工をします。
「皮」は「鞣し」をすることで「革」になるんですね。
なめし(鞣し)ってどういう加工をするの??
なめしは「皮」を「革」にするための最も重要な作業です。
その作業内容は動物の「皮」から不要なタンパク質や脂肪を取り除いて、腐ってしまわないように処理をすることです。
昔は棒で叩いてタンパク質や脂肪を取り除いていたという話も聞いたことがありますが、現在では化学的な処理をしているんです。
なめしの方法の主流は2つで、タンニンなめしとクロムなめしです。
それではそれぞれの特徴を紹介します。
タンニンなめし
タンニンなめしのタンニンは植物の「渋」です。
タンニンには「皮」の繊維を伸縮させる効果があります。
そして、そのタンニンにを使って数週間から数ヶ月の時間をかけ仕上げます。
タンニンなめしによって出来上がった「革」は丈夫でコシがあり、コバ(革の裁断面)の仕上げでは革の風合いを出すことができます。
しかし、とても時間がかかる工程を経て出来上がる革のため、比較的コストは高めです。
ドラムを使ったタンニンなめし
タンニンなめしのドラム
ドラムの中に皮とタンニンのなめし材を入れてタンニンを叩き込むなめしを行います。
このドラムの中には太い棒が何本かあり、しっかり叩き込まれるのです。
近年一般的になっているなめしの方法です。
ピット槽を使ったタンニンなめし
こちらの方法は桶の中にそれぞれ違う濃度のなめし剤を入れて、順番に桶の中に浸けてなめす方法です。
非常に時間がかかるやり方で、完成までに1ヶ月位平気でかかります。
この桶のピット槽の中に入っているなめし剤の濃度を間違えると浸けていた時間も、皮自体も無駄になってしまう非常にリスクの高いなめし方法だとも言えます。
イタリアンレザーの高級な革は比較的この方法を使っているそうです。
クロムなめしって
クロムなめしは硫酸クロムを使う方法で数日間という短期間で仕上がり、耐熱性、伸縮性に富んだ革に仕上がります。
比較的軽い革に仕上がり、経年変化(エイジング)はほとんどありません。
コバ(革の裁断面)は磨けません。
短期間でできるので、比較的低コストでできます。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
今回使わせてもらった画像は先日11月19日にあった《たつの市皮革まつり&タンナー見学バスツアー》に参加させてもらった時の画像です。
とても勉強になりました。
実際に、「皮」が「革」になっていく風景を見て、もっと革を大事にしないと命に対して失礼だと思いました。
あと「皮」が「革」になるまでの工程の大変さを知ることができました。
今まで納期ばかり見て、もっと早く革上がりません??みたいな事を言っていた自分を振り返って、そりゃ無理じゃね??とも思いました。
とは言え、お客さんあっての鞄工場ですからね。
そのあたりのバランスをもっと上手くとってお客さんも、材料を用意してくれる人たちも納得できるラインを探り探りでやっていくしかないんだろうなーと思いました。
最後は何となく湿っぽくなってしまいましたけど。笑。
見学させてくれた、昭南皮革さんとオールマイティーさんありがとうございました。
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