帆布生地をダック生地の違いをご存知ですか?
カワニシカバンではよく使うのは帆布なのですが、世の中にはダック生地と呼ばれるモノも存在します。
一見ほとんど同じに見えるこの両者、一体なにが違うのでしょうか??

ダックって??鴨?名前の由来

ダックはアメリカ発祥の生地で、語源は布という意味のオランダ語のdoesからきていると言われています。
イギリスからアメリカに亜麻または大麻製の厚手キャンバスに鴨の絵がマークとしてプリントされていたことから、その生地をduckと称するようになったと言われています。

ダックの種類

ダックには大きく分けて3種類あります。
号物ダック(numbered ducks)アーミーダック、フラットオンスダックです。
ここでは号物ダックとアーミーダックを紹介します。

号物ダック

号物ダックの規格はASTM標準規格D-230-44によって定められています。
縫製の際、重ね合わせてミシンを入れる場所の目印となるように、この生地の耳の部分にはブルーラインを織り込んでいます。
炭鉱袋、郵便袋、ベルトコンベヤー、荷馬車幌、などに使用されていました。
7番糸を撚って生地を織ったものをさします。

初代LLビーンのバッグの生地もこの号物ダックを使用していました。
ちなみにASTM規格とは

ASTM規格とは
世界最大規模の標準化団体であるASTM International(米国試験材料協会:旧称 American Society for Testing and Materials)が策定・発行する規格です。2014年現在、約12,000種類以上の規格が発行されており、その策定には150か国・30,000 人以上のメンバーが参加しています。ASTM規格は任意規格でありながら、世界75か国で法規制などの基準とされるなど、国際的に広く通用しています。

アメリカ連邦規格といってしまえばわかりやすいかと思います。

アーミーダック

ダックの中では比較的中肉から薄物の部類に属します。
12番から18番と呼ばれる細い糸を使用し、織物の組織密度を上げています。
そのため同じ重さのの号物ダックと比較すると、厚みは薄いけれど、高密度な仕上がりなのが特徴です。
アメリカ陸軍の軍需物資として靴、ハンモック、選択袋、天幕、リュックサックなどに使用されています。

帆布とダック生地の違い

よく平織りのコットン生地で厚手のモノをダック生地と呼んでいましたし、帆布の事をダックと呼ぶ人、その逆にダック生地のことを帆布と呼ぶ人もいましたが、実際には糸の号数正確にはちがうようですね。

ですが、日本国内では、戦前に輸入されるようになりダックが訛ってズックと呼ばれるたり、メリケン帆布とも称されていたことから、国内の帆布はもともとアメリカのダック生地を模して作られたようです。
日本国内には戦前に輸入されるようになりダックが訛ってズックと呼ばれるようになったようですね。

まとめ

じつはダック生地と帆布の違いがイマイチ分かっていなかったのですが、今回のまとめでだいぶ分かってきました。
それでもパッと見た時にどっちが帆布でどっちがダック生地かというのは正直分からないと思います。
それほどまでにどちらの生地も種類が増えています。
結局織っている工場や織機、糸が変わると仕上げる雰囲気も変わるのではないでしょうか。

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